「原子力政策大綱(案)」というものが原子力委員会から発表されました。それに対して8月28日まで意見を募集しています。原子力発電に一言もの申したい方は意見を送ってみてはいかがでしょうか。私もちゃんと読んで、整理して意見を送ってみたいと考えています。
とりあえず簡単ですが、現時点での私見を下記に記します。はい。
原子力発電所とは「やめたいけどやめれない」という点に問題があるのだと思います。安全面でいえば確実に止めた方が良いわけですが、止めるならば原子力で補っていた電力をどこかで確保しなければなりません。原子力発電の代替手段として、バイオマス、太陽発電、風力、地熱、潮力、水力などが挙げられますが、どれも原子力発電の代わりにするほどの電力を賄うことができない(少なくとも現時点では)。石油による発電は・・そもそも石油に頼らないための原子力発電であるから、話にならない。石炭はCo2や硫黄など環境物質を大量に排出する(クリーンコールの技術を進歩すれば、環境汚染は少なくなるかもしれないが)。天然ガスによる発電というのも考えられますが、資源の少ない日本で原子力でまかなうはずの電力分の天然ガスを確保できるかどうかはむずかしいところ。省エネを実行していくという選択もあるけれど、省エネをするためのコストを誰が負担するのかが微妙だし、省エネだけで発電の総量をどれだけ減らせるかは難しいところ。24時間化する社会において、消費効率があがっても消費総量は上がるかもしれない。
つまるところ、現時点において原子力発電を止めるための代替手段がない。だから過渡的な対応として原子力発電はいたしかたない気がしています。安全面の不確実性や、将来に負の遺産(核廃棄物)を残すことに不安はあるのですが、そこだけに注目して止めるべきと主張してもどうしようもない。
でも、原子力発電所を作るための資本をクリーン発電の研究開発や補助金にまわせば、早期にクリーン発電による発電効率を達成できるかもしれない。また日本国民全体が電力は限りあるものであることを認識して、革新的な省エネを実行していければ・・もしかしたら原子力は必要なくなるかもしれない。そこに希望を持ちたいところです。はい。