クレームというのは「言った方が勝ち」というところがあります。大多数の視聴者は高校野球とは野球を視るものであって、高校生の眉毛を視るものではないことを知っているし、眉毛が剃り込みされていようがかまわないと思っているはず。でも、高野連としてはクレームが出てしまったので、それに対応する責任が出てしまう。そしてこういった通達に至ったのでしょう。クレームが好きな少数派の意見を無視しろとは言えませんが、こうしたことで無駄な規制が増えていくことも事実。
人格形成における服装・ファッションというのは、大きな影響力を持っていると私は思います。真面目な格好をしていれば、真面目な性格になるし、派手な格好をすれば派手な性格になる。性格が派手だから派手な格好になるとも言えて、どちらが先に形作られるのかは分かりませんが、相互に影響し合うものだと思います。
だから、伝統的な服装・ファッションを重要視する考え方も賛同できなくもない。文化を守るという意味で重要かもしれない。ですが、若い世代のファッションというのは、生活において重要な要素。無駄に規制を増やしていけば、野球をやりたがる若者が少なくなることも考えられ、結果的に野球文化が廃れていくことも危惧される。そうなってくれば本末転倒。まったく意味がない。
個性は表現する機会がなければ育まれない。服装やファッションというのは、もっとも日常的で頻繁に表現する機会であって、個性を伸ばす良い機会でもある。個性が重要とされる昨今の社会において、こういった規制は個性の形成を阻害する恐れもある。高校野球が教育の一環であるとするなら、外野があまり騒ぎ立てずに、高校生の意志に委ねるべきだと私は思います。
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