評価:★★★★☆
殺人を依頼された殺し屋ヴィンセント(トム・クルーズ)が、拾ったタクシーの運転手マックス(ジェイミー・フォックス)を巻き添えにして次々と「仕事」をこなしていくというストーリー。特に前提知識のようなものも必要なく、素直に映画を楽しめます。胸に2発、頭に1発、正確に撃ち込むところがプロの殺し屋の手際の良さ、キレのようなものを感じさせます。トム・クルーズは役作りにあたって、元SAS隊員に指導を受けたのだそうです。
この映画、とにかく音楽がカッコいい。一瞬の沈黙の後にテーマ曲のAudioslave「Shadow On The Sun」が流れ出すシーンがあるのですが、曲と相まって、お互いの仕事や人生に対する憂いみたいなものがスクリーン全体を包み込みます。心が震えます。下記のリンクから曲の試聴をすることができます。
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Audioslave:Audioslave
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Vo.のザックが脱退し、その動向に注目が集まったレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン。どうやら元サウンド・ガーデンのクリス・コーネルとタッグを組むという風の便りがありつつも、ショウビズ界によくあるスッタモンダで、その真偽やいかに?であったが、なんとか無事、この驚きの新ユニットは本格的活動にこぎつけたようである。その第1弾となる本作は、スタジオでのセッションをもとに、「これから」の音を練り上げたという気合充分の一撃。米先住民族の偉大な酋長(しゅうちょう)の名を冠した<1>を狼煙(のろし)に、強者どもの歴史が今始まった。(春野丸緒) -
RAGE AGAINST THE MACHINE:Battle of Los Angeles
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テンションに満ちたライヴでのパフォーマンス、そして思想的ともいえる社会活動ぶりへの評価が広がり、現役ながら早くも伝説化しているレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン。彼らをそこまで強く支えている魅力は、ハーバード大を卒業し、その後上院議員の秘書も務めたトム・モレロの政治意識、チカーノとして生まれ育ったザック・デ・ラ・ロチャの被差別体験から来る詩の独自性にあるだろう。
そのスタイルと存在性は、デビューから一貫して掲げる「第三世界の現状」、「世界各地での人種差別や搾取」、「チベット問題」、「強大な祖国への冷静な不信感と怒り」など、きわめて今日的なテーマによって支えられている。そのような政治性をロックの本来的な役割であったとするなら、彼らの活動ぶりや存在は1980年代にきわまった商業ロックへのカウンターであり、まさにオルタナティヴであるともいえる。デビューから3作目、詩はさらによくなった。(駒沢敏器)
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