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どんな世界にも変わり者はいる。町外れに放置されていたメモログに集う者たちもいた。 若い女もいれば年老いた男もいた。いつもいる者もいたが、たまにあらわれる者もいた。 ほとんどが人間だが、動物もときおり顔を見せた。
彼らはメモログを昔のように見てほしいと願っていた。 メモログに心があるかはわからない。だが彼らは心があると信じていた。あるいは信じ込んでいた。 彼らはメモログに心を感じ、その哀しみを感じ、憐れんだ。 自分の哀しみをメモログの哀しみに置き換えていただけなのかもしれない。
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